平和島競艇場(ボートレース平和島)は、東京湾から吹き込む強風と1マークがスタンド側に寄った独特のコースレイアウトによってイン(1号艇)の逃げ切りが決まりにくいことで有名です。そのため全国24場の中でも屈指の「荒れる競艇場」として知られ、レースでは思わぬ高配当決着が頻発します。
実際、平和島の1コース1着率は約44.9%と全国平均の55%前後を大きく下回り、インが圧倒的に不利な水面です。反面、5・6コースの1着率は他場より高く、展開次第で全コースに勝機があるのも特徴です。
万舟(100倍超え)券の出現率も高く、3連単の平均配当額は全国で5番目というデータもあります。イン優勢な大村競艇場などに慣れたファンにとっては戸惑うほど特殊な水面であり、「インから買えば当たる」というセオリーが通じにくい場といえるでしょう。
本記事では、そんな平和島競艇場の特徴やレース傾向を初心者向けに分かりやすく解説し、勝利に近づくための予想のコツを紹介します。風や水面特性といった専門的な要素も交えつつ、実践的な舟券攻略ポイントをまとめていきます。各セクションの最後には筆者(競艇歴◯年)の経験に基づくアドバイスも掲載していますので、ぜひ予想の参考にしてください。
目次
平和島競艇場の特徴
平和島競艇場は東京都大田区・東京湾沿いに位置し、通年でデイレースを開催する都市型の競艇場です。ここでは水面やコースの物理的特徴、およびレース傾向について詳しく見ていきましょう。インコース不利の要因となっている風・コース幅・水質など、それぞれの特色を解説します。
風の影響がレースを左右する難水面
平和島の最大の特徴は「風の影響が非常に大きい」点です。競走水面が東京湾に繋がる運河上にあり、周囲を高層マンション群に囲まれているため季節風やビル風が複雑に吹き込みます。
春〜夏は南寄りの追い風、冬は北寄りの向かい風が多い傾向にありますが、1日の中でも風向きがコロコロ変わることが珍しくありません。実際「一日に何度も風向きが変わる平和島では、まさに風読みが勝敗を左右する」とも言われます。
追い風か向かい風かでレース展開が大きく変化し、追い風時は差しが有利、向かい風時はまくりやまくり差しが決まりやすい傾向があります。
特に風速5m以上の強風時には、スタート展示での伸び足やターンの安定性に艇ごとの差が生じやすく、それが本番結果に直結しがちです。また、風向きが途中で変わるタイミングは要注意で、例えば午前中は向かい風だったのが午後に追い風へ変化するような日はスタート勘が狂いやすく、大波乱が起こるケースもあります。
事実、冬場に北風が強く吹いた日はインが流されてセンター勢のまくりが炸裂し、高配当につながることが多いです。
狭い水面と1マークのレイアウトが生むイン不利
平和島競艇場のもう一つの特徴がコースの狭さと特殊な1マーク配置です。スタートライン幅は約49mで平均的ですが、第1ターンマークはスタンドすぐ脇に設置されており、スタンド側の幅がわずか37mしかありません。
この「1マークの狭さ」は全国でも屈指(戸田と並び最狭レベル)で、イン艇にとって大きなハンデとなります。平和島競艇場の水面図。1マーク側の幅が37mと非常に狭いことが分かる。イン艇の旋回スペースが小さいため、わずかに膨らめば後続艇の差しが入りやすい構造だ。
インコースの艇は1マーク旋回時にどうしても窮屈になりやすく、僅かでも膨らめばすぐ後ろの2コースや3・4コース(センター勢)に差し込まれてしまいます。平和島では実際に**「バックストレッチで内側が伸びる」(=後続の差し艇がグングン追い上げる)と言われ、差しや抜きが頻発する要因となっています。
さらに平和島では1マークを回った後のバック側で斜行(斜めに他艇を締める動き)を厳しく禁止しており、イン艇が後続をブロックしづらい事情もあります。
インが先マイ(先頭で1マークを回る)しても十分なリードがないと差した艇を振り切れず、2マークで差し返されるか、外からまくられて逆転されてしまうケースが多々あります。これらの構造上・レギュレーション上の理由により、平和島は「とにかく差しが決まりやすい水面」**と言われるゆえんなのです。
実際、全国平均で約55%ある1コース勝率が、平和島では平均46〜48%程度にとどまります。イン逃げ神話が通用しにくい反面、スピードに乗った3コースまくりやそれに乗じた外の差しが決まれば高配当につながりやすく、平和島は穴党(高配当狙いのファン)には堪らない魅力があります。
海水コースと潮の満ち引きによる特徴
平和島競艇場の水面は海水です。平和島と大森の海岸に挟まれた運河を利用したコースで、東京湾から直接大波が入ってくることはありません。そのため水面は基本的に穏やかですが、海水ゆえに潮の満ち引き(潮位変化)がレースに少なからず影響します。
もっとも、潮位の変動幅は最大でも1〜1.5m程度と全国的にはそれほど大きくなく(宮島や徳山など干満差が大きい場もあります)、平和島では潮位より風の方が展開への影響力は大きいと言われます。
とはいえ満潮・干潮で水面コンディションが変化するのも事実です。一般的に「満潮時はスロー(内側)有利、干潮時はダッシュ(外側)有利」との傾向があり、あくまで目安ですが満潮時はイン逃げ決着がやや増え、干潮時はアウト勢のまくり差しが届きやすくなります。
特に大潮で水位が高い満潮の時間帯には1マークにうねり(波の揺れ)が発生しやすく、ボートが跳ねてターンしにくくなることがあります。実際に周回展示(試走)で1マークを回る際にバタついている艇は、本番でもターンで流れる可能性が高いので評価を下げた方が良いでしょう。
また、選手のレース直後コメントでも「乗り心地が悪い」といった発言が見られる場合、潮や波の影響を受けている証拠です。平和島公式サイトの直前情報「LIVE REPORT」では当日の水面気象状況や選手コメントが確認できるので、潮位や波の有無についても目を通しておくと予想精度が上がります。
インコース勝率の低さと波乱傾向データ
上述のような風・コース幅・水面特性の相乗効果により、平和島ではインコースの勝率が全国でも最低クラスとなっています。直近データでも*1コース1着率44.9%(全国平均55.3%)と明確に低く、これに対して2〜6コースの1着率合計は約55%にも上ります。
特に5コース・6コースからの1着は他場より頻繁で、5コース1着率偏差値71.0、6コース同76.9という突出した数字も報告されています。平和島は「大外(6コース)が日本一決まる水面」とも称され、実際SGレースでも6コースが優勝する番狂わせ(例:2014年末のグランプリで茅原悠紀選手が6コース差しで優勝)を生んだことで有名です。
スタート展示や過去データから「差し水面」である傾向も裏付けられており、決まり手では他場に比べて圧倒的に差しが多く占めます。その結果、三連単では20倍以上の中穴・大穴決着が非常に多いです。
平和島の3連単平均配当は他場と比べても上位で、堅い決着(本命配当)は少なく、波乱含みのレースが日常茶飯事と言えます。ただし面白いことに、インが弱い場であるがゆえに「イン1着のオッズが他場より高め」に出る傾向もあります。
平和島ではファンの多くがイン軽視で舟券を組むため、もし「このレースは1号艇が逃げそうだ」と思える条件が揃った場合、インから買って想定以上の高配当を得られるチャンスも潜んでいます。
例えば弱めの追い風で絶好枠のA級選手が1号艇にいる場合など、他場ならガチガチの本命でも平和島ならオッズがつくケースがあり、狙い目となり得ます。
平和島競艇場で勝つための予想のコツ
以上の特徴を踏まえ、平和島で舟券予想をする際に押さえておきたいポイントを整理します。他場とは異なる平和島ならではの予想のコツや攻略法を、初心者向けに具体的な項目ごとに解説します。
風向き・コース傾向・選手の特徴・モーター性能など、多角的に平和島攻略のヒントを見ていきましょう。
風向きと強さを最優先でチェックする
平和島予想で*最も重要なファクターは「風向・風速」です。レース当日の天候情報を把握し、追い風か向かい風か、その強さは何m/sかを必ず確認しましょう。
前述の通り、追い風ならばインが流れやすく差し有利、向かい風ならばスロー勢にブレーキがかかりまくりが決まりやすいという傾向があります。例えばスタート展示の時点で旗の向きなどから強めの向かい風を感じたら、思い切ってセンター勢(3・4コース)のまくりと5・6コースの差しを本線に組み立てる、といった判断が有効です。
逆に追い風が弱く穏やかな日は1コース逃げも決まりやすくなるため、その場合はインを軽視しすぎないようにします。
また、風は時間帯で変化する点にも注意が必要です。【午前中と午後で風向きが真逆になる】ような日は、前半レースと後半レースで傾向がガラリと変わる可能性があります。直前の展示気配だけでなく、「何時頃から風向きが変わる予報か」もチェックしておくとよいでしょう。
例えば「午後から北風に変わる予報なら、第7〜12レースはアウト勢台頭にシフトするかもしれない」といった読みが立ちます。平和島では公式サイトや場内情報で逐一風速もアナウンスされるので、レースごとに風データを確認しながら舟券戦略を微調整することが勝率アップの鍵となります。
イン固執は禁物、2~6コースの頭を積極的に狙う
平和島では「インコース信仰」に固執しない勇気が求められます。データが示す通り1号艇の信頼度が低いため、他の競艇場の感覚でインからばかり舟券を買っていると痛い目に遭いやすいです。
むしろ2~6コースから1着が出るケースを他場以上に重視しましょう。特に5コースと6コースは全国平均を大きく上回る勝率を誇り、偏差値でも5コース=71.0・6コース=76.9という突出ぶりです。
平和島では「大外が来るかもしれない」という前提で予想を組み立て、フォーメーションに5号艇・6号艇の頭(1着)も積極的に織り込むのがおすすめです。
もちろん無闇に全レースでアウト頭を狙えという意味ではありません。
狙い目は展開を作るセンター勢が機能しそうなケースです。例えば3コースや4コースにスタート巧者・攻撃型の選手がいるとき、その選手がまくりに行けば5・6コースに差し場が生まれます。
このようにセンターの仕掛け→大外の差しというパターンで決まることが平和島では少なくありません。したがって、出走表で「この3コースの選手は攻めそうだ」と感じたら、思い切って5-6コースまで含めた高配当狙いの舟券を検討すると良いでしょう。
一方でインコースの扱いについては、他場以上にシビアな見極めが必要です。
平和島ではイン1着のオッズが高めにつく傾向があるため、「インが弱いのは周知の事実=妙味がある」という視点も重要です。例えば前半レースでイン逃げが続かなかった場合、後半でも皆イン軽視の買い目になりがちです。
しかし風向やメンバー次第では後半で急にイン逃げラッシュになる可能性もゼロではありません。その兆しを感じたら、オッズとの相談になりますが1号艇頭も果敢に押さえる価値があります。
特に弱めの追い風や無風であればイン逃げ率が上がるので、その場合は「イン軽視」の流れに逆張りしてみるのも一つの戦略です。
地元東京支部&ベテラン選手を重視する
平和島は独特な難水面ゆえに、水面への習熟度が結果を大きく左右します。遠征で初めて平和島を走るような他地区の若手選手などは、水面に不慣れなため実力を発揮しづらくミスを犯しがちです。
一方、地元・東京支部の選手や何度も平和島を走り慣れたベテラン選手は、荒れるコンディションでも巧みに対応し、本来の実力を発揮しやすい傾向があります。したがって予想の際は、勝率や級別が同程度なら地元orベテラン選手を上位評価するのがセオリーです。
特にシリーズ初日や節の序盤では顕著で、遠征組・若手は水面に慣れておらずターンミスやスタート失敗をしやすいです。加えて強風で水面が荒れている日や大潮満潮でうねりが出ている時なども、繊細な水面対応力が求められるため、経験豊富な選手が有利になります。
実際、平和島の公式見解でも「水面に不慣れな遠征の若手がスピードを削がれる場合がある」と指摘されており、地元・ベテラン勢の安定感が際立つ場面が多いです。
加えて東京支部の選手はホーム水面ということで地元意識も強く、「平和島巧者」と呼ばれる選手も存在します。過去の平和島成績が良い選手(当地勝率が高い選手)は信頼度アップです。
公式サイト等で直近の選手コメントを読める場合は、「水面は大丈夫」「乗りやすい」と語っている地元選手などは狙い目と言えるでしょう。
モーターの出足・行き足を重視しよう
平和島で勝負を決めるもう一つのポイントがモーターの性能、とりわけ出足・行き足の重要性です。狭いコースでインがプレッシャーを受ける平和島では、ちょっとした伸びの差や加速力の差が逆転を生みます。
スタートが重要でバックで伸び勝負になりやすい水面だからこそ、モーターの直線パワー・加速力(行き足)が優れている艇はどのコースからでも台頭可能です。逆に出足が弱い艇はインにいても包まれてしまいがちなので軽視できます。
具体的には、スタート助走距離の短いスロー勢でも加速しやすいか、1周1マークを回った後にグッと伸びていけるか——これらを判断する材料として展示タイム(直線タイム)やスタート特訓・展示での様子が参考になります。
平和島の公式サイトではオリジナル展示データとして各艇の直線タイムや展示リプレイ映像が公開されているので、他艇より明らかに直線タイムが良い艇や展示航走で伸び気味に見えた艇には注目しましょう。そうした艇は例えアウトコース発進でも道中で差し抜けてくる可能性が高く、積極的に狙いたいところです。
また平和島は毎年6月頃に新モーターへ交換されますが、モーター個体差も成績に影響します。節間の途中なら直前のレースで伸びていた艇や展示評価が◎の艇などを追いかけるのも有効です。
「このモーターは出足が仕上がっている」と記者が評価している場合、その艇は安定して舟券に絡む傾向があります。平和島では出足型の超抜モーターを得た選手は、大外からでも突き抜けるとさえ言われます。
したがってエンジン相場にも目を配り、機力優勢な艇には思い切って印を厚く付けると良いでしょう。
企画レースと公式情報を有効活用する
平和島競艇場では一般戦において毎日決まった条件の「企画レース」が編成されています。現時点では第5レース「東京ベイランチ」と第8レース「ベイブレイク」がそれにあたり、出走メンバーの級別に特徴があります。
5R東京ベイランチは1号艇にA級選手、他の艇はB級選手という構成(サマータイム開催時は第2Rに実施)で、番組的に1号艇が実力上位となるよう組まれています。そのため平和島では珍しく5Rはイン逃げ決着が期待しやすい鉄板レースとなっており、初心者でも予想を組み立てやすいでしょう。
8Rベイブレイクは1号艇と4号艇にA級、他はB級という布陣で、こちらは1号艇と4号艇の実力が抜けている分、やや変則的な狙い方が可能です。例えば「1–4軸のフォーメーション」や、敢えて4号艇頭の一発など、配当妙味も生まれやすい番組と言えます。
このように企画レースの傾向を把握しておくと、レース毎にセオリーが掴みやすくなるので是非活用してください。
さらに平和島はファン向けの情報提供も充実しています。先述の直前情報「ライブリポート」では、当日の気象状況や展示評価、さらには1走ごとの選手コメントが公開されます。
選手自身が語る調整具合や水面の体感は貴重なヒントです。「足は良い」「乗り心地が悪い」などのコメントは、そのまま舟券戦略に反映できます。また公式サイトにはオリジナル展示データとして各種タイムや展示評価も掲載されており、出走表の紙面だけでは得られない生のデータが揃っています。
平和島を攻略するには公式情報をフル活用するのが賢いやり方です。
最後に、場に足を運べる方は現地情報も大切にしましょう。平和島は老舗の水面で、常連ファンや新聞記者から直接耳寄りな情報が得られることもあります。
例えば「今日は2マーク側の水面が悪そうだ」など細かな所感は、ネット越しでは分からない利点です。もちろん現地に行けなくても、最近はSNSやボートレースYouTubeチャンネル等で直前予想や傾向分析を無料で配信していることもありますので、そうした最新情報をチェックする習慣をつければ鬼に金棒でしょう。
まとめ|「風」と「狭い1マーク」を味方につけて平和島を攻略しよう
平和島競艇場は「風」と「コースの狭さ」が勝敗を大きく左右する特殊な水面です。イン逃げの信頼度が低く、差し・まくりが台頭しやすいレースが日常的に繰り広げられるため、一見すると予想が難しく感じられるかもしれません。
しかし、本記事で解説したように風向きのチェックや地元選手の重視、モーター性能の見極めなどポイントを押さえれば、荒れ水面を味方につけて的中率を上げることも十分可能です。
何より平和島は高配当の宝庫でもあります。展開読みがハマったときの爽快感や、大穴的中の興奮は格別で、「東のメッカ」と呼ばれる平和島が多くのファンを惹きつける理由でもあります。
初心者の方も怖がらずに風と水面の特徴を学び、少しずつ平和島ならではの予想の勘所を掴んでいってください。最初は難解に思えた平和島も、風とコースを読み解けるようになればきっと予想する楽しさが倍増するはずです。

