岡山県倉敷市に位置する児島競艇場（ボートレース児島）は、瀬戸内海に面した海水を利用する競艇場です。1952年に開設された歴史あるレース場で、瀬戸大橋のたもと児島地区にあります。名称に「島」とありますが実際には半島の先端部で、本州と橋で繋がっておりアクセスも良好です。
広大な5階建てスタンドや、家族連れでも楽しめるキッズコーナー「ガァ～コランド」など施設面も充実しており、初心者からベテランまで足を運びやすい環境が整っています。
児島競艇場の水面・コースの特徴
児島競艇場の最大の特徴は、競走水面の広さが全国でも屈指であることと水質が海水であることです。コースのバックストレッチ（第1ターンマーク側の奥行き）が広く取られており、アウトコース（外枠）にも伸び伸びと走れる余地があります。水質が海水で浮力が強いため選手の体重差が結果に出にくいという特徴もあり、淡水プールの競艇場に比べると重量面でのハンデが小さい点も押さえておきましょう。
水面特性
児島競艇場の水面は瀬戸内海に面した海水で、潮汐（満潮・干潮）と風の影響が大きい水面として知られています。瀬戸内海は比較的穏やかな海域で、児島競艇場も冬場を除けば風が穏やかな日が多いです。しかし1日のうちでも潮の満ち引きで水位が大きく変化し（干満差2～3メートルにも及ぶ日があります）、それに伴ってレース展開が変わるのが最大の特徴です。
干潮時には水面が低く静かで波も立ちにくくなるため高速レースになり、逆に満潮時には水位が上がって水面全体にうねり（波）が発生しやすくなります。
風の影響
児島では追い風（バック側からホーム側へ吹く風）と向かい風によっても展開が大きく左右されます。一般的に追い風が強いと第1ターンマークでイン（1コース）の艇が流れ気味になり、内側を差す2コース艇の差しが決まりやすくなります。
特に満潮時に強い追い風が吹くとイン艇のターンが大きく膨らみやすく、「波乱」が起こることもあるでしょう。一方で向かい風の場合、スタート時に各艇のスピードが出にくくなる代わりにターン時には艇が流されにくくなるため、イン逃げ（1コースからの逃げ）が有利になる傾向があります。
さらに、風と潮がぶつかる条件では2マーク付近の水面が荒れることもあり、細かな水面変化に対応できる技術が問われます。
コースレイアウト
ホームストレッチ（スタート側）の幅は平均的ですが、バックストレッチ側が非常に広い構造です。このため第1ターンマークの振り幅（コーナーのゆとり）が大きく、各艇が全速でターンしやすいレイアウトになっています。
特にアウト寄りの艇が思い切ったまくり（外からの豪快な攻め）に行きやすいコースと言えますが、前述の通り満潮時は水面が荒れて外からのまくりは流れやすく失敗しがちです。
助走距離の特徴
児島では6コース（大外）の助走距離が確保しにくい点も押さえておくべき特徴です。5コースまでの艇はバック側の広さを活かして十分な助走（ダッシュ）をつけやすいのに対し、通常の枠なり進入だと6号艇だけ他場よりも前方から起こす形になりがちで、トップスピードに乗りづらい欠点があります。
地元の熟練選手はこの不利を補うために敢えて後方から斜めに助走を取る工夫もしますが、遠征で慣れていない選手が6コースに入るとスタートで苦労しやすく、なかなか舟券に絡みにくい傾向です。
一方で5コースは6コースよりも助走距離を長く取れるため、フルダッシュからの伸び足を活かしてまくり差しに入るチャンスがあり「穴」を演出するケースもあります。
データで見る児島競艇場の傾向
競走水面の特徴を踏まえて、実際のデータ面から児島競艇場の傾向を確認してみましょう。全国24場の中で児島のイン（1コース）の1着率は概ね平均並みかやや下回る水準です。
例えば直近では1コース勝率が56～57%前後となっており、全国平均とほぼ同等か少し低い程度です。これは一般戦ではイン有利ながら、児島ならではの広い水面と潮・風による変化で絶対的なイン天国とまでは言えないことを示しています。
実際、2024年のデータでは1コース1着率が全国11位と平均的な順位であった一方、5コースや6コースの1着率ランキングが比較的上位に来ており、ダッシュ勢の健闘が窺えます。
また決まり手の面でも「まくり」が決まりにくく「差し・まくり差し」が多いというデータが出ています。児島のまくり勝ち率は全24場中でも最低クラスである一方、差しが決まる割合はトップクラスとなっています。
広いコース幅によって旋回半径を大きく取れる分、内側への差し込みが有効であること、そして満潮時のうねりや追い風でインが流れる状況が差し・まくり差しを後押しすることが理由として考えられます。
このため2コースや4コースの選手が差し構えで好成績を残すケースが多く、「イン逃げ+差しの展開」が児島の基本パターンといえるでしょう。実際の統計でも児島では2コースからの差しおよび3コース以降のまくり差しの決定率が全国平均より高めであることが確認されています。
一方、枠番別の進入コースについては、児島はピットから2マークまでの距離が101mと短めな影響で進入争いが激しくならず、枠なり進入（艇番どおりのコース取り）が比較的高確率で落ち着きます。
つまり、他場に比べて本番でのコース入れ替わり（前付けや深インなどの荒れた進入）が少なく、予想する側としてはスタートコースが読みやすい点も初心者にはありがたい特徴です。その分、純粋に各コースの力関係や機力差、そして水面状況に目を向けて予想を組み立てることが重要になります。
最後に配当傾向について触れると、児島は「中波乱が少なく、本命決着か大穴か両極端に出やすい」と言われます。
インと人気選手に人気が集中しやすいものの、ひとたび波乱パターンにハマると高配当（いわゆる万舟券）が飛び出すこともしばしばです。
特に満潮時×追い風といったコンディションでは高配当率が高まる傾向にあり、思い切った穴狙いがハマることもあります。また直近3年間（2022～2024年）の三連単データでは、児島ではオッズ100倍超の大穴の出現頻度が全国平均より高かったという分析もあり、「メリハリのある配当傾向」も児島の特徴と言えるでしょう。
児島競艇場で勝つための予想のコツ
以上の特徴を踏まえて、児島競艇場で舟券的中率を上げるための予想のコツを整理します。ポイントは大きく3つ：レース番組の狙い目を把握すること、水面状況の変化を読むこと、そしてモーターや直線タイムなど機力を見極めることです。
1. 番組編成とコース傾向を活用する
児島では一日の中で特定の条件を持つ企画レースが組まれることがあります。例えば第1レース「朝とくガァ～コ戦」では1号艇にA級選手、他はB級といった番組が組まれ、1コースの1着率が70%以上にも達する鉄板レースが用意されます。
他にも第5レース「日替艇食戦」（A級1人入り混戦で1コース勝率50%程度）、第6レース「昼得クラリス」（1～3号艇A級vs4～6号艇B級）など、レースごとに特色があります。
こうした番組の狙い目を事前に把握しておけば、「このレースはイン信頼」「ここは実力上位の○号艇から」などレース毎のセオリーが見えてきます。特に朝イチのレースは荒れにくく、後半レースになるにつれ実力伯仲で混戦になる、という傾向も意識しておきましょう。
2. 潮位と風による展開予測
前述のように、児島では満潮 or 干潮か、そして風向きによって有利不利のコースが変化します。以下のようなパターンを覚えておくと便利です。
満潮＋追い風のケース
水面にうねりが入りインのターンが流れ気味になるため、差し（水面内側を突く展開）が決まりやすい。1コースの独走にアクシデントが起こりやすく、2コースや3コースの台頭で波乱含み。→ 差し巧者の選手に注目しつつ、高配当も視野に入れる。
干潮時（潮位が低い）のケース
水面が穏やかで直線スピード勝負になりやすい。モーターの伸びが良いセンター勢（3・4・5コース）がまくりで攻めやすく、アウトコースにもチャンスあり。→ スピード自慢の選手や機力上位の艇を重視。
向かい風が強い日
スタートでの早仕掛けが難しくなる反面、1マークでのターンは安定しインコース有利。イン逃げ決着が基本線だが、風速次第ではスタート揃いやすく2・3コースの差し残りに注意。→ 基本はイン信頼だが、スタート次第で相手探しを慎重に。
追い風が強い日
イン艇はスピードが乗りすぎてターンで膨らみやすく、差し・まくり差しが増加。特に5コースのまくり差しが決まれば一撃穴も。→ 1着はイン固定にせず、2着3着に中位コースの台頭を織り込む。
上記のパターンに当てはまらない微妙な風向き・潮位の時もありますが、当日の潮汐表と風予報をチェックして「今日はどのパターンかな？」と考える習慣をつけると、予想の精度が上がります。地元の岡山支部の選手や常連選手は長年の経験から潮目や風を読んでレースを組み立てますnote.com。初心者の方もぜひ公式サイトの潮位データや場内アナウンスの気象情報を活用してみてください。
3. 出足・行き足重視のモーター評価
児島では差しやまくり差しが決まりやすい水面であるため、「伸び一辺倒のモーター」よりも出足・行き足がしっかりしたモーターの方がレース足として好結果につながりやすい傾向です。
直線タイムが良い艇（展示航走タイムで上位の艇）は、干潮時のスピード勝負だけでなく満潮時でもバックストレッチで伸びて差し場を作るなど総合力で有利になります。したがって、直線タイムや周回展示のターンの安定感に注目し、機力評価を予想に織り込むことが重要です。
「行き足」と呼ばれる起こしから伸びにかけての足や二の足の良さは、道中の競り合いでも活きてきます。私の経験では、児島では派手な連勝中のエース機よりも地味でも乗りやすいモーターを引き当てた選手がコツコツ連絡みするケースをよく目にします。
モーター交換時期（児島は例年11月頃）直後のシリーズなどは特に機力差が出やすいので注意しましょう。
4. 地元選手と季節要因にも留意
最後に細かいコツとして、地元・岡山支部の選手は児島水面を知り尽くしているため信頼度が増す点も覚えておきましょう。潮の流れを読む勘所や風対策の調整など、地元勢が他地域の選手より優位に立つ場面もあります。
また季節による傾向では、春・秋の穏やかな時期は基本イン優勢、梅雨～夏場（6～8月）は雨や高温でエンジン差が出やすく混戦、冬場は風が強まり満潮時に荒れやすい等の傾向も指摘されています。
こうした季節要因も頭の片隅に入れておくと、「夏の低調機イン戦は疑え」など具体的な狙いが立てられるでしょう。
まとめ：児島競艇場の特徴と予想攻略の総括
ここまで児島競艇場の特徴と攻略ポイントについて詳しく見てきました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
水質・環境
児島競艇場は瀬戸内海に面した海水コースで、潮の干満差が大きく水面状況が変化します。冬以外は穏やかな風の日が多く基本イン有利ですが、潮位や風向き次第で一変する読み合いの水面です。
コース傾向
1コース1着率は約56%で全国平均並み。差し・まくり差しが決まりやすく4コースの2着率・3着率がやや高めといった特徴があります。一方で6コースは助走距離の面で不利で、スタート展開的にも割引が必要です。
決まり手と配当
イン逃げ＋差しが児島の基本パターンですが、満潮時はイン逃げ率低下・追い風時は差し増加など気象条件で決まり手が大きく動きます。そのため堅い決着か大波乱か両極端な配当傾向が見られ、万舟券の出現率も比較的高めです。
予想のコツ
レースごとに番組構成（企画レース）と水面コンディション（潮位・風）をチェックし、それに合わせた狙い目を定めること。さらに直線タイムなど機力評価では出足型を重視し、地元選手の動向や季節要因も加味すると予想精度が上がります。
以上を踏まえ、児島競艇場で舟券を買う際はぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。潮と風を制する者が児島を制すとも言われるこのレース場、環境変化を味方につけてぜひ的中率アップとプラス収支を目指しましょう！
