津競艇場の特徴と予想のコツ【初心者向け完全ガイド】

津競艇場（ボートレース津）は、日本で初めて認可を受けた歴史ある競艇場です。

インコース（1号艇）の勝率が全国でもトップクラスに高く、基本的には「イン有利」のレースが展開されますが、一方で風が強い日にはスタートが乱れて中・外コースの台頭による波乱も起こり得ます。

津競艇場のコース・水面の特徴

津競艇場は三重県津市に位置し、1952年に開設された日本で最も長い歴史を持つボートレース場です。伊勢湾に面した開放的なロケーションで、周囲に山や高い建物が少ないため風の影響をまともに受けやすい水面として知られています。

競走水面は人工的なプール水面ですが、海水と淡水が混ざる汽水であり、海と直接つながっていないため潮の満ち引きによる水位変化はありません。そのため満潮・干潮時刻を気にする必要はなく、水質面では選手の体重差による有利不利も出にくい環境と言えるでしょう。

コースレイアウトの特徴としては、第1ターンマーク（1マーク）後のバックストレッチ（バック側）幅が約110mと全国で2番目に広い点が挙げられます。

スタートから第2ターンマークまでの直線距離も約150m以上と長く、コース全体が広々としています。この広い水面のおかげで選手は1マークで思い切った全速ターンをしやすく、レースはスピード勝負になりやすいです。

1マークでの全速ターンによって生じるわずかな隙間を突いて「差し」（内側をすくう戦法）が決まりやすいことも津競艇場ならではの特徴です。実際、津では他場に比べて差しやまくり差し（まくってから差す戦法）が出現しやすいというデータもあります。

また、津競艇場は基本的に通年デイレース（ナイター開催なし）で行われます。場内ではファンサービスやフードエリアも充実しており、観戦を一日楽しめる競艇場としても親しまれています。

さらに、ファン向けに「企画レース」と呼ばれる初心者でも予想しやすい番組が毎日2レース設定されています。第1レース「ツッキーレース」と第5レース「5ールドレース」では1号艇にA級レーサー、他の艇にB級レーサーが配されるため、1号艇の信頼度が非常に高い番組構成になっています。

このようにコースの広さ、水質、レース運営の特徴を把握しておくことが、津競艇場攻略の第一歩となるでしょう。

津競艇場では海の満ち引きを考慮する必要がない分、当日の風向きや強さに集中して水面状況を見極めることが大切です。特に穏やかな日は水面が鏡のように静かでインコース有利が顕著になります。一方、強風で水面が荒れる日は想定外の展開が起こりやすいので、経験上、朝の天気予報や直前の水面実況を必ずチェックしておくようにしています。

津競艇場は風でどう変わる？季節ごとの傾向

津競艇場のレース結果に大きく影響する要素の一つが風です。先述の通り、津は遮るものが少ないため季節風や海風の影響を強く受けます。夏場は南から伊勢湾を抜ける海風（追い風）が吹き込みやすく、冬場は北方の鈴鹿山脈から吹き下ろす冷たい風（向かい風、「鈴鹿おろし」）が頻繁に発生します。

風が強い日は水面コンディションが急激に悪化し、東海地区の競艇場の中でも最も荒れやすい水面になると言われるほどです。

追い風の場合、風速が3m程度まではそれほどレースに影響せず1号艇の逃げ切りが決まりやすいですが、追い風が4m以上に強まると2号艇の差しや3・4号艇のまくりが台頭しやすくなります。特に追い風かつ雨天になるとモーターの出足が鈍り、1号艇の逃げが失敗するケースが増える点にも注意が必要です。

一方、向かい風の場合も3mまでは1号艇有利ですが、向かい風4m以上になると今度は1号艇の伸びが抑えられスタートで後手を踏みやすくなるため、3・4号艇などアウト勢のまくり差しが決まりやすくなります。

特に真正面からの強い向かい風（西風）が吹くと4～6コースが攻めやすく、中波乱の決着も目立ちます。ただし、雨を伴う向かい風の日はスタート自体が難しくなるため、意外とインが踏ん張るケースもあり油断できません。

季節ごとの傾向を見ると、春先（3～5月）は風向きが日によって変わり読みづらいため展開が不安定になりがちです。

夏（6～8月）は追い風の影響でスタート重視の傾向が強まり、インの絶対視はやや下がります。

秋（9～11月）は風が落ち着き水面が穏やかな日が多くなるため、イン逃げ決着が増えて配当も堅めが多いシーズンです。

そして冬（12～2月）は「鈴鹿おろし」と呼ばれる強烈な向かい風が吹き荒れる日があり、大波乱の展開も生じやすくなります。特に9月は台風や秋雨前線の影響で雨天が多く、雨の日は経験豊富な選手ほど有利になる傾向があります。

荒天時には地元三重支部の選手やベテラン勢が水面を熟知して力を発揮しやすいので要注目です。

「風の強弱で狙い方を変える」のが鉄則です。例えば、風が弱く水面が穏やかな日は本命中心で堅実に攻めますし、風速5m前後の強風時には思い切って中穴・大穴狙いにシフトします。実際に、穏やかな日はイン逃げがほぼ鉄板ですが、強風の日にイン信頼で買ってしまうと痛い目を見ることもありました。幸い津の公式サイトでは直前の風速や水面状況が公開されています。レース当日は必ず公式情報をチェックし、「今日は追い風○mだから2コース差し警戒」「向かい風強いから外のまくりに注意」といった具合に予想戦略を練り直しましょう。

津競艇場のレース傾向と出目の特徴

津競艇場のデータ面で最も顕著なのはイン（1コース）優勢であることです。直近3か月の統計では1号艇の1着率は約56%にも達しており、24場ある全国の競艇場でもトップクラスの数字です。1コースが逃げ切って勝つ「イン逃げ」は津で最も多い決まり手で、その信頼度は非常に高いと言えます。

加えて津では枠なり進入（枠番どおりにコース取りすること）が基本で、進入争いが大きく乱れるケースは少なめです。つまり、他場に比べてスタート前の大きな波乱要素が少なく、実力や枠番どおりの決着になりやすい土壌があります。

一方で、2コースの健闘も津の特徴です。津競艇場では2号艇の1着率自体は平均的ですが、2号艇の2着・3着率が非常に高いことがデータから読み取れます。

実際、過去の成績を分析すると2号艇は他場に比べて2着や3着に絡む割合が高く、舟券では2号艇を相手候補（連下）に必ず入れておくことが有効と言われています。私も津で予想を組み立てる際は、基本的に「1着は1号艇、2着か3着に2号艇」を軸にフォーメーションを組むことが多いです。

また、広い1マークを活かした戦法として差しやまくり差しが決まりやすい点も見逃せません。特に3号艇や5号艇などのセンター勢がターンで生まれた隙を突いて飛び込むまくり差しが、逃げに次ぐ勝ちパターンとしてよく見られます。

実際、津では逃げ以外の決まり手ではまくり差しの決定率が最も高く、3コースや5コースからの差し技が目立っています。このため、3・4・5コースあたりにスタート巧者やエンジンの良い選手がいる場合、波乱含みのレースになる可能性があります。

配当面に目を向けると、津競艇場は高配当の大穴がやや出にくい傾向があります。直近の統計でも3連単100倍以上の超高配当の出現率は全国平均より低めとの分析があり、万舟券（払戻金1万円以上）が頻発する波乱レースは他の難水面の競艇場（戸田や江戸川など）に比べれば少ない印象です。

むしろ津では1-2-3や2-1-4といった人気どころで決まる堅めの決着が多く、3連単の平均配当も抑え気味です。実際に、津競艇場で最も出現率が高い3連単は「1-2-3」や「2-1-3」といった組み合わせで、回収率も80%を超える安定感があります。こうしたデータから、津では無理な大穴狙いよりも中配当狙いで着実に当てていく戦略が有効だと言えるでしょう。

津では「イン逃げ信頼＋2着付け」で予想を組み立てるのが基本スタンスです。具体的には、1号艇を頭固定にして2着に 2号艇を絡めた3連単フォーメーションや、1-2を軸にしたボックス買いなどを多用しています。事実、津では「1-2-3」や「1-2-4」といった順当な決着が驚くほどよく出現します。大勝ちは狙いにくい反面、堅実に当ててコツコツ資金を増やすには適した水面でしょう。

津競艇場で勝つための予想のコツ

上記の特徴や傾向を踏まえ、津競艇場で舟券的中率を上げるために覚えておきたい予想のコツを整理します。

インコース（1号艇）を軸に据える

イン逃げ決着が多い津では、とにかく1号艇を軽視しないことが重要です。基本的には1号艇を頭（1着）固定、もしくは少なくとも連に絡める買い方で予想を組み立てるのがセオリーです。

1号艇がA級選手や当地勝率の高い選手であれば、なおさら信頼度は高まります。津の1号艇勝率はデータ上も全国上位ですから、初心者の方も「舟券はとりあえず1号艇から」というくらいの意識で良いでしょう。

2・3着には2号艇を狙う

前述のように、2コースの選手は2着や3着に絡みやすい傾向があります。したがって舟券のフォーメーションを組む際には、2号艇を2着固定または3着固定で入れるとヒモ抜けしにくくなります。

特に直近の展示タイムや前日までの成績を見て、2号艇が機力不足でなければ積極的に相手候補として押さえておきましょう。

エンジン（モーター）性能を要チェック

津は全速戦になりやすいぶん、モーター出足や伸び足の良し悪しが結果に直結します。展示航走や直前情報で発表される展示タイム・直線タイムにも目を配り、動きの良いモーターを搭載した艇を狙うのがコツです。

公式サイトの「モーターデータ」や専門紙の機力評価も参考になります。また、津では毎年9月に全モーターの入れ替え（新モーターへの交換）が行われます。

交換直後の節では各モーターの優劣が判然としないため、普段以上に展示の動きや調整力で予想する必要があります。経験者ほど新モーター期間は勝負を控えめにする人も多いので、初心者の方も無理に絞り込まず広めに構えると良いでしょう。

風向き・気象条件に合わせて戦略を変更: 風の影響が大きい津では、当日の天候次第で有利不利が変化します。穏やかな日はインコース強気、荒れそうな天気ならアウトコースにも要注意と覚えてください。

具体的には、無風～微風なら1号艇頭の鉄板決着を第一候補に、風速5mを超えるような強風予報の日は2・3コースの差しや4・5コースのまくりにも印を回す、といった具合です。レースライブや直前予想コメントで選手が「風が強くて乗りづらい」と発言している場合は波乱含みと判断し、思い切って高配当狙いの舟券を買ってみる価値もあります。

企画レースを有効活用する

前述の第1R「ツッキーレース」と第5R「5ールドレース」は、格上のA級選手が1号艇を務める番組です。

このため他の一般戦に比べて1号艇の逃げ切り率が非常に高く、初心者が予想を当てやすいレースと言えます。

迷ったらまず企画レースの1号艇から買ってみる、というのも一つの戦略です。もちろん絶対ではありませんが、経験上これらのレースは堅く収まりやすいので、私も現地で観戦するときは「とりあえず1Rと5Rは1号艇流し」で様子を見ることがあります。

まとめ：津競艇場攻略のポイント

津競艇場は「イン最強」と称されるほど1号艇が強い競艇場であり、そのコース特性やデータを知ることが的中への近道です。広い水面と長い直線によるスピード戦ではありますが、一方で風や気象条件で表情を変える難しさも併せ持っています。

穏やかな日は鉄板決着、荒れ模様なら波乱含みといったように、状況に応じて柔軟に予想を組み立てましょう。

• コース・水面特徴の把握: 汽水の静水面だが風の影響大。1マークが広くイン逃げ決着が基本。
• データ傾向の活用: 1号艇の信頼度は全国トップクラスで軸向き。2号艇は連下で常にマーク。大穴は出にくいので中穴狙い中心に。
• 予想のコツ実践: エンジン相場と風向きを要チェックし、臨機応変に。企画レースはイン有利で初心者向き。

津競艇場で勝つために大切なのは基本を忠実に押さえることと臨機応変さです。イン有利とはいえ絶対はなく、風や機力という変数もあります。だからこそ奥深く面白いのですが、初心者のうちはセオリー重視で的中率を高めることを優先しましょう。

予習（特徴把握）8割・本番2割くらいの気持ちでしっかり準備することが勝利への近道だということです。ぜひ本記事の内容を参考に、津競艇場での舟券攻略にチャレンジしてみてください。経験者の知恵を活かした予想で的中の喜びを味わい、競艇の楽しさを存分に堪能しましょう！